毎朝のスタイリングで「なんでこんなに髪が広がるんだろう…」と悩んだことはありませんか?
実は日本人の7〜8割は何かしらの髪の癖を持っていると言われています。
癖毛はコンプレックスにもなりますが、見方を変えれば“個性”として魅力に変えることもできるんです。
今回はスタイリストの目線で、髪の毛の癖について解説しながら、上手な付き合い方をお伝えします。
髪の毛の癖とは?
髪の毛の癖(くせ)とは、髪が真っすぐではなく「うねり」や「ねじれ」「広がり」といった特徴を持つ状態のことをいいます。
実は日本人の約7〜8割は、程度の差こそあれ癖毛を持っているといわれています。
癖毛の主な原因は「毛穴の形」と「髪の内部構造」にあります。
髪の毛は毛根の形に沿って生えてきますが、毛穴が楕円形や歪んだ形をしていると、髪はまっすぐではなく曲がったりねじれたりしながら伸びてきます。
また、髪内部のタンパク質や水分のバランスが不均一なことも、うねりや広がりにつながります。
癖毛にはいくつかの種類があります。
- 波状毛(はじょうもう) … ゆるいうねりがある、日本人に多いタイプ
- 縮毛(しゅくもう) … 細かく縮れたりチリついた状態、湿気に弱い
- 捻転毛(ねんてんもう) … 髪がねじれて生えているタイプ、パサつきやすい
- 連珠毛(れんじゅもう) … 数珠のようにデコボコしている珍しいタイプ
このように一口に「癖」といっても、その種類や出方は人それぞれ。
だからこそ「自分の髪はどんな癖なのか」を知ることが、ヘアスタイルを楽しむ第一歩になるんです。
癖毛のメリットとデメリット
癖毛のメリット
自然な動きが出る
直毛の方がパーマをかけてつくるような“ニュアンスのある毛流れ”を、癖毛の方はもともと持っています。
特に波状毛は、無造作に乾かすだけでも立体感が出やすいのが魅力です。
ボリュームが出やすい 髪がペタッとしにくいため、トップや後頭部に自然なボリュームが出やすいのも癖毛の強み。
男性のショートスタイルや、女性のレイヤースタイルには大きな武器になります。
個性や雰囲気をつくれる 同じスタイルにしても、癖毛の方は動き方や質感が一人ひとり違います。
つまり“その人にしかない髪の表情”が出るということ。
オリジナル感を大切にしたい方には大きな魅力です。
癖毛のデメリット
湿気に弱く広がりやすい
梅雨や汗をかく時期になると、髪の水分バランスが崩れて広がったりうねりが強く出てしまいます。
まとまりづらいと感じる大きな要因です。 パサついて見えることがある
髪の表面が乱れやすいため、ツヤが出にくく乾燥した印象になりやすい傾向があります。
トリートメントやオイルでのケアが欠かせません。 スタイリングが難しい
「毎日セットが決まらない」という声もよく聞かれます。
ブローやアイロンに時間がかかったり、雨の日はスタイルが崩れやすいなど、扱いが難しいのも特徴です。
癖毛を活かす方法
癖毛は「抑える」よりも「活かす」ことで魅力が引き立ちます。ここではスタイリスト目線で、日常で取り入れやすい方法をご紹介します。
1. カットで動きをデザインに変える
癖毛はカット次第で大きく印象が変わります。
メンズなら、フェードやスパイラル風のショートで癖を武器に。 レディースなら、レイヤーカットで軽さと動きを出すことで自然なニュアンスを活かせます。
スタイルのベースを「癖に合わせる」ことが、毎日の扱いやすさにつながります。
2. スタイリング剤で味方につける
癖毛はまとまりにくい反面、動きを出しやすい髪質。
広がりを抑えたいときは、オイルやクリームで保湿。 動きを活かしたいときは、ワックスやバームでラフに仕上げる。
「抑える」と「活かす」をシーンに応じて使い分けるのがコツです。
3. ドライヤーの乾かし方を工夫する
乾かすときのひと手間で仕上がりは大きく変わります。
広がりやすい方は、髪を引きながら下方向に風を当てる。 動きを出したい方は、根元を起こしながらランダムに風を当てる。
ちょっとしたテクニックで、癖毛の魅力を引き出すことができます。
4. ケアで扱いやすい状態にする
癖毛は乾燥しやすくパサつきやすいため、日常的なケアが欠かせません。
保湿系シャンプー・トリートメントの使用
定期的なサロントリートメントやヘッドスパで頭皮環境を整える
ホームケア用のアウトバストリートメントを習慣に
土台が整うと、癖毛もぐっと扱いやすくなります。
癖毛を抑えたい人へ
「動きを活かすよりも、とにかく扱いやすい髪にしたい!」
そんな方には、癖毛を抑えるための方法を取り入れるのがおすすめです。
1. 縮毛矯正・ストレートパーマ
縮毛矯正 アイロンの熱と薬剤の力で、強い癖もしっかりまっすぐに伸ばせる方法。
半永久的に効果が続き、毎朝のスタイリングが格段に楽になります。
ストレートパーマ 薬剤の力でボリュームを落ち着かせる方法。
癖を完全にまっすぐにするのではなく「自然な仕上がり」を求める方に向いています。
どちらを選ぶかは、癖の強さやなりたいイメージによって変わります。
2. 毎日のブロー・アイロンの工夫
髪を乾かすときは「根元からしっかり」乾かす 毛先だけでなく、中間部分にブラシを通すことで広がりを防ぐ アイロンは高温で一気に仕上げず、低温で少しずつ通すのが髪へのダメージを抑えるコツ
3. ケアで扱いやすさをサポート
保湿系のシャンプー・トリートメントで潤いを補う アウトバストリートメントで熱から髪を守る 定期的なサロントリートメントで、髪の内部を補修する
髪のコンディションを整えることで、癖が落ち着き、毎日の手入れがぐっと楽になります。
全体のまとめ
髪の毛の癖は、多くの人にとって悩みの種になりがちですが、実は“個性”や“魅力”に変えることができる要素でもあります。
自然な動きを活かしてデザインに取り入れることもできますし、縮毛矯正やストレートで抑えて日常を快適にすることもできます。
大切なのは「自分の癖を知って、どう向き合うか」を選ぶこと。
どちらを選んでも、適切なカット・ケア・スタイリングで、必ず髪はもっと扱いやすく、もっと自分らしい表情を見せてくれます。
毎日のスタイリングに悩んでいる方も、癖毛を活かしたい方も、まずはお気軽にスタイリストにご相談ください。
あなたの髪質に合ったベストな方法を、一緒に見つけていきましょう。
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