スタイリストが解説!髪と肌を育てる栄養学

ヘアケア

髪や肌の調子が「なんだかイマイチ」と感じることはありませんか?

その原因は、スキンケア不足や年齢のせいだけではなく、毎日の食生活に隠れていることが多いんです。

髪も肌も、実は私たちが口にする栄養から作られています。外側からのケアはもちろん大切ですが、内側からの栄養が整ってこそ、本当の美しさが引き出されます。

今回は、スタイリストの視点から「髪と肌を育てるために欠かせない栄養素」と「今日から意識できる食習慣」について解説していきます。未来の自分のために、ぜひチェックしてみてください。

髪と肌を育てる栄養学

美しい髪や肌は、毎日の食事から摂る栄養素によって育まれます。ここでは特に重要な栄養素を整理してみましょう。

1. タンパク質 ― 髪と肌の土台

私たちの髪や肌は、ほとんどがタンパク質からできています。髪の主成分である「ケラチン」や、肌の弾力を支える「コラーゲン」もすべてタンパク質が材料です。

タンパク質が不足すると…

髪 → ハリやコシがなくなり、抜け毛や枝毛の原因に 肌 → ターンオーバーが乱れ、くすみや乾燥、小じわが目立ちやすくなる

つまり、タンパク質は美髪と美肌の基盤なんです。

おすすめの食材:

動物性 → 鶏むね肉、赤身肉、魚、卵、乳製品 植物性 → 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳)

💡 ポイント:動物性と植物性をバランスよく摂ることで、吸収率と栄養バランスが高まります。

2. 鉄分・亜鉛 ― 髪の成長と血行促進

髪の成長や頭皮の健康に欠かせないのが、鉄分と亜鉛です。

鉄分

鉄分は血液中のヘモグロビンを作り、酸素を全身に届ける働きがあります。これが不足すると、頭皮の血流が悪くなり、髪に必要な栄養が届きにくくなります。結果として、抜け毛・細毛・顔色の悪さの原因に。

亜鉛

亜鉛は新しい細胞を作るサポートをする栄養素で、髪の材料である「ケラチン」の生成に欠かせません。不足すると髪が育ちにくくなり、肌のターンオーバーも乱れてニキビや肌荒れを引き起こすことがあります。

おすすめの食材:

鉄分 → レバー、赤身肉、ひじき、ほうれん草 亜鉛 → 牡蠣、牛肉、かぼちゃの種、ナッツ類

💡 ポイント:ビタミンCと一緒に摂ると鉄の吸収率が上がります。たとえば「ほうれん草+レモン汁」「牛肉+野菜サラダ」といった組み合わせがオススメです。

3. ビタミンC・E ― 抗酸化とコラーゲン生成

肌の若々しさや頭皮環境を守るために欠かせないのが、ビタミンCとビタミンEです。

ビタミンC

コラーゲンの生成を助け、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。 抗酸化作用により、紫外線やストレスで発生する活性酸素を除去。 不足すると、シミ・くすみ・乾燥が目立ちやすくなります。

ビタミンE

「若返りのビタミン」と呼ばれ、強力な抗酸化作用を持ちます。 血行を促進し、頭皮やお肌に栄養を届けやすくする働きがあります。 不足すると、冷え性や肌のくすみ、髪のパサつきの原因になります。

おすすめの食材:

ビタミンC → 柑橘類、キウイ、イチゴ、パプリカ、ブロッコリー ビタミンE → アーモンド、アボカド、オリーブオイル、かぼちゃ

💡 ポイント:ビタミンCとEは一緒に摂ることで、抗酸化作用がより高まります。サラダにアボカドとパプリカを組み合わせるのもおすすめです。

4. オメガ3脂肪酸 ― 潤いと炎症予防

髪や肌の乾燥、頭皮のかゆみやフケに悩む方に欠かせないのがオメガ3脂肪酸です。

特徴と働き

細胞膜をしなやかに保ち、肌や髪に潤いを与えます。 頭皮や肌の炎症を抑える働きがあり、抜け毛や肌荒れの予防に効果的。 血流を改善し、髪や肌への栄養供給をスムーズにします。

不足すると…

頭皮の乾燥やフケが出やすくなる 肌がカサつき、赤みや炎症が起きやすくなる 抜け毛や髪のハリ不足につながる

おすすめの食材

青魚(サバ、イワシ、サンマ、サケ) 亜麻仁油、えごま油、チアシード くるみ

💡 ポイント:オメガ3は熱に弱いため、できるだけ生で摂る(刺身やサラダ用オイル)のがおすすめです。

5. 亜鉛 ― 発毛と新陳代謝の鍵

髪の成長や肌のターンオーバーに欠かせないのが亜鉛です。

特徴と働き

髪の主成分「ケラチン」をつくる酵素の働きを助ける 皮膚や頭皮の細胞分裂をサポートし、新陳代謝を促す 抗酸化作用を持ち、老化や炎症の進行を抑える

不足すると…

抜け毛が増える、髪が細くなる 傷や肌荒れが治りにくい 味覚障害や免疫力低下の原因になる

おすすめの食材

牡蠣(亜鉛の王様!) 牛肉、豚レバー 卵黄 ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ) 海藻類

💡 ポイント:亜鉛は体内で吸収されにくいため、ビタミンCやクエン酸と一緒に摂ると吸収率がアップします。

6. ビタミンC ― コラーゲン生成と抗酸化

美肌と健やかな髪に欠かせない代表的な栄養素がビタミンCです。

特徴と働き

コラーゲン生成を助け、肌のハリや弾力を保つ 抗酸化作用で紫外線やストレスによるダメージから細胞を守る 皮脂分泌をコントロールし、頭皮環境を整える 亜鉛や鉄の吸収をサポート

不足すると…

肌のたるみ・シワが目立つ 傷やニキビ跡の治りが遅い 抜け毛や枝毛が増える

おすすめの食材

赤パプリカ、ブロッコリー、芽キャベツ 柑橘類(レモン・オレンジ・グレープフルーツ) キウイ、いちご じゃがいも(実はビタミンCを熱から守るデンプンがあるので調理に強い)

💡 ポイント:ビタミンCは水溶性で体外に排出されやすいため、こまめに分けて摂取するのがおすすめです。

7. ビタミンE ― 血行促進と酸化ストレスからの保護

「若返りのビタミン」と呼ばれるほど、美と健康に重要なのがビタミンEです。

特徴と働き

強力な抗酸化作用で、肌や頭皮の細胞を酸化から守る 血行を促進し、肌のターンオーバーや髪の成長を助ける ビタミンCと一緒に摂ることで抗酸化効果が高まる

不足すると…

肌のくすみ、乾燥 冷えによる血行不良 頭皮の血流不足からくる薄毛や髪のハリ不足

おすすめの食材

アーモンド、ヘーゼルナッツなどのナッツ類 アボカド オリーブオイル、ひまわり油 鮭、うなぎ

💡 ポイント:油と一緒に摂ると吸収率がアップします。

8. 鉄分 ― 酸素供給で髪と肌を元気に

髪も肌も、元気に生きていくためには酸素が欠かせません。酸素を全身に運ぶ赤血球の材料となるのが鉄分です。特に女性は不足しやすいため注意が必要です。

特徴と働き

血液中のヘモグロビンを作り、酸素を全身に届ける 髪や肌の細胞がエネルギーを得て、健やかに育つ 疲労感や冷えの改善にも役立つ

不足すると…

抜け毛や髪のボリュームダウン 肌の青白さ、くすみ、クマ 慢性的な疲れやだるさ

おすすめの食材

レバー、赤身肉(牛・豚) あさり、しじみ ほうれん草、小松菜 大豆製品(納豆、豆腐)

💡 ポイント:ビタミンCと一緒に摂ると鉄の吸収率が高まります。

9. 亜鉛 ― 髪の成長と肌の修復に不可欠

髪や肌の材料となるタンパク質を合成するときに欠かせないのが亜鉛です。細胞分裂や修復を助ける働きがあり、美しい髪と健やかな肌を保つためのサポート役として重要です。

特徴と働き

髪の毛の成長サイクルを正常に保つ 肌のターンオーバー(生まれ変わり)を促進 免疫力を高め、炎症や肌荒れを防ぐ

不足すると…

抜け毛や髪のハリ不足 ニキビや肌荒れが治りにくくなる 味覚障害や免疫力低下

おすすめの食材

牡蠣(亜鉛含有量トップ) 牛肉(特に赤身) 卵、チーズ ナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)

💡 ポイント:アルコールの飲みすぎは亜鉛の吸収を妨げるため、飲酒習慣がある人は特に意識して摂りましょう。

10. 水分 ― 体の内側から潤いを守る

髪も肌も約60〜70%は水分でできており、十分な水分補給は美しさの基本です。体内の水分が不足すると、血流が滞り、栄養が髪や肌まで届きにくくなります。

特徴と働き

肌:潤いを保ち、乾燥や小じわを防ぐ 頭皮:血行を促し、毛根に栄養を届ける 老廃物の排出を助け、むくみや肌荒れを予防

不足すると…

肌の乾燥・かさつき 頭皮の血流不足による抜け毛や薄毛リスク 疲れやすさ、便秘

おすすめの摂り方

1日あたり 1.5〜2ℓ を目安にこまめに飲む コーヒーやアルコールは利尿作用があるため、「水やお茶」でバランスを取る 朝起きた直後と入浴後の水分補給は特に重要

💡 ポイント:一度に大量ではなく、少量を数回に分けて飲むのがベスト。内側から潤いを守ることで、外側のケア効果も高まります。

まとめ:髪と肌を育てる栄養学

美しい髪と健やかな肌は、サロンケアや化粧品だけでなく、日々の食生活から作られます。

今回ご紹介した10の栄養素は、それぞれが役割を持ち、互いに助け合いながら私たちの「美と健康」を支えています。

タンパク質は髪や肌の土台 ビタミンA・C・Eは抗酸化や再生を助ける守りの栄養素 ビタミンB群や鉄、亜鉛は代謝や血流を支え、内側からエネルギーを届ける オメガ3脂肪酸は細胞膜を柔らかくし、炎症を抑える そして水分はすべてを循環させ、潤いを守る鍵

不足すればトラブルの原因となり、バランスよく摂ることで「健康=美しさ」に直結します。

✨ポイントは、偏らず、多くの食品から少しずつ取り入れること。

特別なサプリに頼るよりも、日々の食卓で自然に栄養を整えることが理想です。

未来の髪と肌は、今日の食生活から育まれます。

一口ひとくちを「美への投資」と思いながら、内側からのエイジングケアを始めていきましょう。

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