朝起きたとき、髪がパサついて広がっていたり、寝ぐせがなかなか取れない…そんな経験はありませんか?
実は、寝ている間にも髪はダメージを受けているんです。
その原因は、枕との摩擦・乾燥・寝返りによる引っ張りなど、日中よりも無防備な状態にあること。
しかし、「ナイトケア」を意識するだけで、髪の状態は驚くほど変わります。
今回は、スタイリスト目線で「枕・ナイトキャップ・夜のヘアケア習慣」がなぜ大切なのか、そして今日からできる対策をわかりやすく解説します。
1. 寝ている間に髪が受けるダメージとは?
「寝ているだけなのに、髪が痛むなんて本当?」と思う方も多いかもしれません。
でも実は、睡眠中の髪は日中以上に無防備な状態。知らないうちにダメージが蓄積していることが多いんです。
原因① 枕との摩擦
寝返りを打つたびに、髪は枕カバーとこすれ合っています。
この摩擦がキューティクル(髪の表面のうろこ状の膜)を剥がし、艶やハリを失わせる原因に。
特に、コットン素材の枕カバーは吸湿性が高く、髪の水分を奪いやすい傾向があります。
原因② 寝返りによる引っ張り
睡眠中の無意識な動きで、髪が引っ張られたり絡まったりすることも。
その結果、枝毛や切れ毛が発生しやすくなります。ロングヘアの方やパーマ・ブリーチをしている方は特に注意が必要です。
原因③ 乾燥と静電気
暖房の効いた室内や乾燥した季節は、髪も水分を失いがち。
寝ている間に静電気が発生し、キューティクルがさらにダメージを受ける悪循環になります。
つまり、「寝ているだけ」でも、髪には想像以上のストレスがかかっているんです。
だからこそ、ナイトケアは“寝る前の数分”の意識が大切。
次に、髪を守るための「枕選び」から見直していきましょう。
2. 枕の素材で髪は変わる
実は、どんな枕で寝るかが翌朝の髪のコンディションを大きく左右します。
「枕は寝心地のため」と思われがちですが、素材によっては髪の摩擦や乾燥を助長していることもあるのです。
おすすめ① シルク素材
シルクは摩擦が少なく、保湿力が高いのが特徴。
髪のキューティクルを守りながら、寝返りをしても引っかかりにくいため、翌朝のまとまりが格段に違います。
また、静電気が起きにくいので、髪が広がりやすい人やカラー毛にも最適。
🪶おすすめポイント:
キューティクルを守る 枝毛・切れ毛の予防 髪・肌の両方に優しい
おすすめ② サテン素材
「シルクは高価で手入れが大変…」という方には、サテン素材の枕カバーがおすすめ。
ポリエステル製ながらも、つるんとした質感で摩擦を軽減。
寝癖もつきにくく、朝のスタイリングがぐっとラクになります。
避けたい素材:コットン100%のざらついた生地
吸湿性が高く、寝ている間に髪の水分を奪いやすいのが難点。
また、織り目が粗いタイプだと摩擦が強く、ダメージヘアを悪化させる原因になります。
枕カバーを変えるだけで、「寝ている間の摩擦ダメージ」をぐっと軽減できます。
夜のケアを頑張るよりも、まずは「髪に優しい寝具環境」を整えるのが美髪への第一歩です。
3. ナイトキャップの効果と選び方
「寝ている間の髪ダメージを防ぐ」として注目されているのが、ナイトキャップ。
昔は「おばあちゃんが使うもの」というイメージもありましたが、近年では美髪ケアアイテムとして再び人気を集めています。
💡ナイトキャップの主な効果
摩擦・乾燥のダメージを防ぐ
寝返りを打つたびに、髪は枕と擦れてキューティクルを傷つけています。
ナイトキャップをかぶることで、髪全体を包み込み、摩擦を最小限に抑えます。
さらに、枕や空気中の乾燥から守ることで、うるおいとツヤをキープ。
寝癖・広がりを防止
朝起きて髪が爆発しているのは、寝返り時の摩擦が原因。
ナイトキャップはその動きを抑え、まとまりやすい髪質へ導きます。
特にロングヘアやくせ毛の方におすすめ。
トリートメント効果の持続
夜のヘアオイルやミルクをなじませたあとにキャップを被ると、 保湿成分がしっかり髪に浸透しやすくなります。
髪が潤いを保ちながら寝ることができ、翌朝の手触りが変わります。
おすすめ素材
シルク製:摩擦が少なく、通気性・保湿性に優れる。最もおすすめ。
サテン製:価格が手頃で扱いやすい。初心者向け。
コットン製:通気性は良いが摩擦が起きやすいため、ダメージ毛には不向き。
注意点
きつすぎるキャップは血行不良の原因に。
蒸れやすい素材を避ける(特に夏場は要注意)。
清潔に保つため、週1回は洗濯を心がける。
ナイトキャップは、「つけて寝るだけの美髪習慣」。
高価なトリートメントよりも、毎日の睡眠時間をケアタイムに変えることで、髪質改善を実感できます。
4. 寝ている間にできるナイトケア習慣
「日中にヘアケアしても、朝になるとパサつく」「夜トリートメントしたのに効果を感じにくい」──そんな悩みの多くは、“夜の過ごし方”が原因です。
髪も肌と同じく、夜の時間に修復・再生を行うため、就寝前のケア習慣を整えることが美髪づくりの鍵になります。
お風呂上がりは“すぐ乾かす”が基本
自然乾燥は髪の天敵。濡れた髪はキューティクルが開いており、放置すると水分と栄養が逃げてしまいます。
ドライヤーをかける前にタオルでやさしく水分を吸い取り、熱を当てすぎず根元からしっかり乾かすのがコツ。
冷風で最後にキューティクルを引き締めると、ツヤ感がアップします。
寝る前にアウトバストリートメントを仕込む
ドライヤー後にヘアオイルやミルクタイプのトリートメントをなじませておくと、
睡眠中の乾燥や摩擦ダメージを大幅に軽減できます。
毛先を中心に、両手で軽く揉み込むようにつけるのがポイント。
💡髪が細い・ペタっとしやすい方は、軽い質感のミストタイプを。
しっかり保湿したい方は、オイルやミルクタイプを選びましょう。
寝る前1時間は“スマホオフ”で良質な睡眠を
睡眠中は成長ホルモンが分泌され、髪や肌の細胞修復が活発になる時間帯。
寝る直前のスマホやテレビの光は、その分泌を妨げてしまいます。
寝る1時間前には照明を落とし、深呼吸やストレッチなどでリラックスモードへ。
良質な睡眠こそが、“自然な美容液”です。
ナイトウェアや枕の素材にも気を配る
化学繊維のパジャマや枕カバーは静電気を起こしやすく、髪の乾燥の原因に。
シルク・コットン素材の寝具を選ぶだけで、摩擦ダメージがぐっと減ります。
特に枕カバーは、肌荒れ対策にも◎。
ナイトケアは「続けやすさ」が最優先
美容は「特別なこと」よりも「習慣の積み重ね」。
完璧を目指さず、まずはドライヤー→アウトバス→ナイトキャップの3ステップから始めましょう。
慣れてくると、髪のまとまりやツヤが自然と変わっていきます。
まとめ:美髪は“夜つくられる” — 今日からできるナイトケア習慣を
一日の終わりに、ほんの少し髪をいたわる時間をつくるだけで、
翌朝の手触りやまとまりが大きく変わります。
寝ている間に髪が傷む主な原因は、摩擦・乾燥・寝具との静電気。
でもそれは、「乾かす」「保湿する」「守る」という3つの習慣で防げます。
✔ 濡れた髪は必ずドライヤーで根元から乾かす
✔ アウトバストリートメントで潤いを閉じ込める
✔ ナイトキャップやシルク枕で摩擦を減らす
✔ 良質な睡眠で髪と頭皮の再生をサポート
髪は“夜の過ごし方”で未来が決まります。
自分の髪を「守る時間」をつくることが、
美髪と健やかな頭皮へのいちばんの近道です。