「最近、髪のボリュームが減ってきた…」と感じる男性は少なくありません。
実は男性特有の抜け毛には、加齢だけでなくホルモンや生活習慣など複数の要因が関わっています。
今回は、男性に多い抜け毛の原因と、日常でできる効果的なケア方法を解説します。
男性特有の抜け毛の主な原因
男性ホルモン(DHT)の影響
※男性型脱毛症(AGA)の大きな要因が、男性ホルモン「テストステロン」から変換される ※DHT(ジヒドロテストステロン) です。DHTは毛根に作用し、ヘアサイクルを短縮させてしまうため、髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまいます。
遺伝的要素
AGAは遺伝との関わりも強く、家族に薄毛の方がいる場合はリスクが高まります。特に母方の遺伝子が影響すると言われています。
ストレス・生活習慣の乱れ
睡眠不足や偏った食生活、過度なストレスはホルモンバランスを乱し、頭皮の血流を悪化させます。これが毛根への栄養不足につながり、抜け毛を進行させる要因となります。
頭皮環境の悪化
過剰な皮脂分泌や不十分な洗浄による毛穴詰まりも、男性特有の抜け毛を助長します。特に脂性肌の男性は注意が必要です。
サロンでのケアももちろん大切ですが、日常の習慣で「DHTを増やさない土台づくり」をすることが、将来の髪を守る最大のポイントです。
※AGA(男性型脱毛症)とは?
AGAとは、Androgenetic Alopecia(男性型脱毛症) の略で、
成人男性にもっとも多く見られる脱毛症のことを指します。
特徴
20代から始まることもあり、年齢が若くても発症する可能性がある
主に 額の生え際(M字部分) や 頭頂部(つむじ) から薄くなっていく
徐々に進行し、放っておくと広範囲の薄毛につながる
原因
主に DHT(ジヒドロテストステロン) の影響
DHTが毛根に作用すると、髪の成長期が短縮され、細くて弱い髪しか生えなくなる
結果として、髪が抜けやすく・生えにくい状態が続く
ポイント
AGAは 進行性 のため、自然に治ることはありません。
ただし、早期に対策を始めることで、 進行を遅らせたり、現状を維持する ことは可能です。
AGAは個人差がありますが、典型的な進行パターンが存在します。
1. 生え際からの後退(M字型)
額の両端が後退し、M字に下がっていくタイプ
比較的若い世代(20〜30代)に多く見られる
2. 頭頂部からの薄毛(O型)
つむじ付近から徐々に髪が細くなり、地肌が透けて見えるタイプ
進行すると円形に広がっていく
3. 混合型(M字+O型)
生え際と頭頂部の両方から進行するタイプ
最も多く、進行すると頭頂部と生え際がつながり、広範囲の薄毛に
進行の特徴
初期は気づきにくい(分け目が広がる、髪が細くなるなど)
進行すると髪全体のボリュームが落ち、スタイリングが決まりにくくなる
放置すると毛根が弱り、発毛が難しくなる
スタイリスト目線のひとこと
「スタイリングが決まらない」「分け目が気になる」と感じ始めたら、すでに進行が始まっているサインかもしれません。
早めに気づいてケアを始めることが、未来の髪を守るカギになります。
※DHT(ジヒドロテストステロン)とは
※5αリダクターゼ(ファイブ・アルファ・リダクターゼ)は、
男性ホルモンの テストステロンをDHT(ジヒドロテストステロン)に変換する酵素 です。
役割
本来は体にとって必要な働きを持つ酵素ですが、
頭皮に存在すると テストステロン → DHT に変換され、毛根を弱らせてしまいます。
ポイント
特に 前頭部(M字)や頭頂部 に多く存在するため、AGAはこの部分から進行しやすい。
遺伝的にこの酵素の働きが強い人ほど、DHTの影響を受けやすく、薄毛リスクが高まります。
※5αリダクターゼとは
5αリダクターゼは、体内に存在する 酵素の一種 です。
この酵素は、男性ホルモンである テストステロン を、より強力な作用を持つ ジヒドロテストステロン(DHT) に変換する働きをしています。
なぜ重要なのか?
DHTは毛根(特に前頭部や頭頂部)の 毛母細胞の働きを弱める といわれています。
その結果、髪が細くなり、成長期が短くなり、最終的に抜け毛や薄毛につながります。
特に男性型脱毛症(AGA)の大きな原因とされているのが、この 5αリダクターゼの働き です。
つまり…「5αリダクターゼが活発」=「DHTが増える」=「抜け毛が進行しやすい」
というメカニズムなんです。
5αリダクターゼの働きを抑える方法
生活習慣の改善
睡眠:何時に寝るかではなく、深くて質の良い睡眠を取ることが成長ホルモンの分泌には最も重要
食生活:脂っこい食事や糖質の摂りすぎは皮脂分泌を増やし、5αリダクターゼを活性化させる。バランスの良い食事を心がけましょう。
ストレス管理:ストレスはホルモンバランスを乱し、抜け毛を悪化させる原因に。リラックス法や適度な運動も効果的。
正しい頭皮ケア
シャンプー選び:頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーがおすすめ。過剰な皮脂を落としつつ、乾燥を防げる。
頭皮マッサージ:血流を促進し、毛根に栄養を届けやすくする。お風呂上がりに1日5分程度でOK。
栄養素を意識する
亜鉛:5αリダクターゼの働きを抑制する効果が期待される。牡蠣・ナッツ類・レバーなど。
イソフラボン:女性ホルモン様作用があり、DHTの影響を和らげる。大豆製品に豊富。
ビタミンB群:髪の成長を助け、代謝をサポート。豚肉・卵・魚介類から摂取可能。
男性特有の抜け毛対策
1. 生活習慣の見直し
睡眠不足・ストレス → ホルモンバランスを乱し、抜け毛を促進
栄養不足 → 特にタンパク質・鉄・亜鉛・ビタミンB群を意識
過剰な飲酒・喫煙 → 血流を悪化させ、毛根に栄養が届きにくくなる
👉 健康的な生活習慣が、髪を守る第一歩です。
2. 頭皮環境を整える
正しいシャンプー:爪を立てず、指の腹で優しくマッサージ洗い
皮脂コントロール:洗いすぎは逆効果。1日1回のシャンプーでOK
血行促進:頭皮マッサージ・炭酸スパ・適度な運動で血流改善
👉 美容室のスパメニューを活用するのもおすすめ。
3. 医療的アプローチ
フィナステリド・デュタステリド(内服薬)
5αリダクターゼを抑制し、DHTの生成を防ぐ
ミノキシジル(外用薬・内服薬)
血流を改善し、発毛を促進
クリニックでの相談:早期に始めるほど効果が期待できる
👉 本格的にケアしたい方は、専門クリニックでの相談が安心です。
スタイリストのアドバイス
「抜け毛対策は“今ある髪を守ること”が最優先。早めの生活改善と頭皮ケアで、医療的なケアも組み合わせると効果的です。」
まとめ(男性特有の抜け毛は早期ケアがカギ)
男性の抜け毛は、主に DHT(ジヒドロテストステロン) の影響によるAGAが大きな原因です。
ただし、生活習慣の乱れや頭皮環境の悪化も進行を早めてしまいます。
大切なのは、
健康的な生活習慣
頭皮環境を整えるケア
必要に応じた医療的アプローチ
この3つをバランスよく取り入れること。
「まだ大丈夫」と放置せず、早めのケアこそ未来の髪を守る最大のポイントです。
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