朝晩の気温差が大きくなる秋冬。
「手足が冷える」「肌の血色が悪い」「髪のツヤがなくなった気がする」――
そんな変化を感じていませんか?
実はその原因、“冷え”による血流の低下かもしれません。
体が冷えると、血液が十分に巡らず、髪や肌へ必要な栄養や酸素が届きにくくなるため、
乾燥・くすみ・抜け毛など、さまざまな不調が現れやすくなります。
美容と健康を支えるカギは、「温めて巡らせること」。
今回は、サロン視点で考える「冷え対策」と「温活習慣」のポイントを解説します。
冷えがもたらす美容への悪影響
冷えは単なる「寒さ」ではなく、体の巡りが滞るサインです。
血液の流れが悪くなると、全身への栄養・酸素の供給が滞り、
老廃物の排出もうまくいかなくなります。
この“巡りの悪さ”こそが、髪や肌のトラブルを引き起こす大きな要因なのです。
肌への影響
体が冷えると、皮膚表面の血流が減少し、ターンオーバー(肌の生まれ変わり)が遅くなります。
結果として、くすみ・乾燥・シワ・たるみなどが起こりやすくなり、
「疲れて見える」「化粧ノリが悪い」と感じるように。
また、冷えによる血行不良は皮脂バランスにも影響します。
皮脂の分泌が減ると肌のバリア機能が弱まり、敏感肌や乾燥肌が悪化しやすくなります。
髪・頭皮への影響
頭皮も血管が多く集まる場所。
冷えによって血行が悪くなると、毛根に栄養が届きにくくなり、抜け毛・薄毛の原因になります。
髪のツヤやハリも低下し、パサつきや切れ毛が増えることも。
特に冬は、暖房による乾燥も加わり、頭皮環境が乱れやすくなるため、
「温めるケア」が非常に重要になります。
代謝・免疫への影響
冷えは美容だけでなく、基礎代謝の低下にも直結します。
体温が1℃下がると、代謝が約12%・免疫力が30%も低下すると言われています。
代謝が落ちることで肌のターンオーバーも鈍くなり、
老廃物が蓄積しやすくなる悪循環に陥ります。
「体を内側から温める食習慣」
冷えを根本から改善するには、外側のケアだけでなく“内側から温める食事”が欠かせません。
体を温める食材を意識的に摂ることで、血流が良くなり、代謝や肌のターンオーバーも活性化します。
1. 「陽性食品」を意識する
東洋医学では、食材には体を温める「陽性」と冷やす「陰性」があると考えられています。
寒い季節には、陽性の食材を積極的に取り入れるのがポイント。
〈体を温める陽性食品の例〉
根菜類:しょうが、ごぼう、にんじん、れんこん
発酵食品:味噌、納豆、甘酒
スパイス類:しょうが、シナモン、黒こしょう
赤・黒・オレンジ系の食材(にんじん、かぼちゃ、黒豆など)
これらの食材は血流を促し、体を内側からぽかぽかにしてくれます。
2. “冷たい飲み物”より“温かい飲み物”を選ぶ
冷えが気になるときは、常温より温かい飲み物を選びましょう。
特におすすめなのは:
白湯(朝起きてすぐ飲むと◎)
生姜湯
ルイボスティーや黒豆茶
コーヒーや緑茶はカフェインにより体を冷やすこともあるので、飲みすぎには注意
3. タンパク質と鉄分をしっかり摂る
体温をつくるのは筋肉。筋肉のもとになるタンパク質と、血液を作る鉄分を十分に摂ることも重要です。
おすすめの食材:
鶏むね肉、卵、大豆製品、赤身肉、レバー、あさり、ほうれん草など。
これらをバランスよく摂ることで、“温め体質”へと少しずつ変わっていきます。
外側から温める温活ケア
体を温めるには、食事だけでなく外側からのアプローチも大切。
冷えを感じたら「温める習慣」を毎日の生活に少しずつ取り入れていきましょう。
入浴で“深部体温”を上げる
シャワーだけで済ませず、湯船にしっかり浸かることが大切です。
ぬるめ(38〜40℃)のお湯に15〜20分ほど浸かると、身体の芯から温まり、自律神経も整います。
+α温活ポイント
入浴前に白湯を1杯飲む
入浴後はすぐに保湿&水分補給
炭酸入浴剤やエプソムソルトもおすすめ
サウナや岩盤浴で「温冷交代」が効果的
サウナ→水風呂→休憩の流れで、血管が拡張・収縮を繰り返すため血流がスムーズになります。
サウナが苦手な方は、岩盤浴や足湯でもOK。特に足を温めることで全身の巡りが改善されます。
首・手首・足首を冷やさない
体の“3つの首”は血管が集まるため、冷えると全身が冷えやすくなります。
首 → ストール・ネックウォーマー
手首 → 袖口を締める・リストバンド
足首 → 靴下の重ね履きやレッグウォーマー
「冷やさない工夫」をするだけでも、体温キープに大きく関わります。
軽いストレッチやウォーキングで代謝を上げる
じっとしている時間が長いと、血流が滞りやすく冷えの原因に。
朝晩に軽いストレッチやウォーキングを取り入れると、体が自然に温まります。
特にふくらはぎを動かすとポンプ作用が働き、冷え改善に効果的です。
まとめ:温めて巡らせる=美しさを育てる基本
冷えは、肌のくすみ・髪のハリコシ低下・疲れやすさなど、
“なんとなく不調”の原因になりがちです。
体を内側から温める食事と、外側から温めるケアを組み合わせることで、
血流や代謝が整い、自然と肌ツヤや髪の潤いもアップします。
「冷えを防ぐ」ことは、
=「美と健康を保つ」ための一番シンプルなセルフケア。
今日からできる温活で、
一年を通して“めぐりの良い身体”を育てていきましょう。
